痩せればいいってもんじゃない!

ダイエットを希望だが、冷えを強くもっていた女性(23歳)のケースです。

どう見ても太っていらっしゃるわけではないのだが、ダイエットをしたいと‥‥

「では、ダイエットの説明をしましょうね」と相談コーナーに腰かけていただいて、いつものように代謝の話を中心に問診に入りました。

最初から気付いていたのですが、

ひじょうに※気虚(ききょ)を感じました。

お尋ねしたところ、お母様が病に倒れ、一人で看病と家計を支えていらっしゃるとのこと。彼女によると、ダイエットをしたいというよりも痩せることによって慢性的な頭痛と肩こりがとれるのではないか!と思って来店してくださったのです。

こういうパターンは当店でよく見られます。

それこそ「メタボリックシンドローム」心配性というべきか!?

◎メタボリックシンドローム◎

内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、脂質異常のうち2つ以上を合併した状態。

脂肪がつくことがすべての原因だと思い込んでいらっしゃる方が実に多い。それとは逆に内臓脂肪はさほどついていないにもかかわらず、情報に踊らされてそれがすべての原因だと思い込んでいらっしゃる方もまた多い。

この方には人参製剤をお湯で溶かしその場で飲んでいただいた。

すると10分もしないうちに「おなかが温まってきて気持ちがいいです」とおっしゃる。

まずは体の気をきちっと回すこと、そして体力を戻すこと、それに伴う血流を改善することを目標に、人参製剤とスピルリナ製剤を飲んでいただくようおすすめしました。

彼女いわく、「頭痛と肩こりがとれれば、私はそちらの方がいいんです。そちらの方から先にやります」

私もその順番の方がいいと思い、「今、ダイエットをしてもたぶん痩せないよ。まず、肩こり、頭痛を改善してからその時になってもまだ痩せたいと思ったら、ダイエットの話をそのときにしようね」といってお帰ししました。

1週間後のご様子で「先生、飲みだしてからなんか頭がスッキリして元気が出てきました。調子いいみたいです!」と‥‥

(考察)

若い方がやせてキレイになりたい気持ちはよく分かります。内臓脂肪がさまざまな健康の障害になっていることは事実です。しかし、それがすべてではありません。やせれば全員健康になるということは絶対にない、ということを感じた症例です。

気虚=元気が不足している状態をさします。

疲れやすい。食後に眠くなる。動悸。息切れ。胃腸が弱い。声に力がない。風邪をひきやすい。自汗。倦怠無力などがみられる病態。

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