糖尿病で認知症が増える理由

現在、「認知症高齢者」の数は、410万人程度といわれています。2050年には、約3倍に増加するといわれています。一方で、糖尿病患者さんは、50歳代から増え始め、60歳代、70歳代がピークになり、糖尿病患者さんの約70%が60歳以上です。

糖尿病の患者さんは、糖尿病がない人に比べて認知症の発症リスクは、約2〜4倍も高くなるといわれています。糖尿病は、血糖値が上がる病気ではなく、全身の代謝が悪化する病気だからです。

なぜ糖尿病になると認知症になりやすいのでしょうか?

①脳の栄養である糖分を脳が上手く利用できない。

②糖尿病の合併症である動脈硬化がすすみ、脳の血管が障害され血液が十分に脳にいきわたらない。

③糖尿病になると、アミロイドβタンパクが蓄積しやすくなる。(アルツハイマー型認知症の原因)

④脳の働きに重要なインスリンの作用が十分発揮できない。

⑤糖尿病による代謝障害により、カラダが酸化(さびやすくなる)しやすくなる。

これらを防ぐためには、血糖コントロールも大事ですが、動脈硬化を防ぐこと、カラダの代謝を改善することが重要です。特に認知症の原因が、脳梗塞に伴うことが多く、これを防ぐには、EPA・DHAを含む青魚が大切です。

糖尿病は、急に起こる病気ではありません。

カラダ全身の細胞で、エネルギーとなる糖分の取り込みが悪くなり、インスリンの働きが十分出来ない状態になります。これらの代謝障害により、血管にも大きなダメージを与え、動脈硬化がすすみます。その代表的な合併症が、腎症や網膜症です。そして、脳梗塞や心筋梗塞につながっていきます。血糖値が気になりだしたら、血管のお手入れが重要です。糖尿病になると、がんや骨粗しょう症などにもなりやすくなります。

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