胃腸は健康のバロメーター

胃腸は健康のバロメーター!

食べものは胃で細かく消化され、腸で分解されたあと、栄養素として吸収され、血液・骨・筋肉・皮膚・臓器など体の基礎がつくられています。私たちの生命活動の原点は胃腸から始まるともいえます。しかし、胃腸に「炎症」が起きると、胃腸の働きが低下し、様々な病気を招いてしまいます。

胃の「炎症」の原因はピロリ菌によるものです。日本人の多くがピロリ菌に感染していますが、胃の不快な症状をもたらすだけでなく、胃粘膜に炎症を起こし、萎縮性胃炎を引き起こします。放って置くと、胃潰瘍や胃がんへと進行してしまいます。

また、胃酸の分泌が不十分となり、腸内に直接、細菌やウイルスなどの有害物質が入り込みやすくなります。腸の粘膜には体内の免疫細胞が多く集まっているため、有害物質から腸を守ろうと「炎症」を引き起こします。しかし、慢性的に腸の炎症が続くと、腸内のバランス(腸内環境)が悪化して免疫力が低下し、アレルギーや大腸ガンにかかりやすくなります。

◎胃腸の炎症は体の火事の元

様々な病気の原因が、「胃腸の慢性炎症」が起点となることがわかってきました。腸で吸収された栄養は全身へ送られますが、反対に「炎症」という火種も全身に広げてしまうのです。腸の炎症がじわじわと体の臓器に燃え移り、糖尿病や動脈硬化、アルツハイマー、ガンを誘発します。ですから、胃腸の健康を保つことは、病気を防ぎ、私たちの健康にとって、もっとも大切なことと言えます。

☆胃腸の調子が…もしかして「炎症」かもしれません。

たとえば

□おなかが空くと、胃がキリキリ痛む

□甘いものや刺激のあるものを食べると、胸焼けする

□脂っぽいものを食べると、胃もたれを起こす

□食べ過ぎていないのにおなかが張る

□緊張すると、おなか(下腹部)が痛む

□朝のトイレで下痢や軟便が続いている

□歯を磨いているのに、口臭がきつい

□便をみると血が混ざっていることがある

「炎症」って何?

体の中には化学物質や細菌・ウイルスなど様々な有害な物質が入ってきます。すると、免疫細胞が集まり、それらの有害物質を退治し、痛んだ組織を修復する仕組みが身体には備わっています。病気から身体を守るために治そうとする免疫反応を「炎症」といいます。例えると、火事が発生したときに、火元を消すための消化活動をしているようなものです。ただ、小さい火事であれば、すぐ火を消すことができますが、大きな火事であれば、消化活動に時間がかかったり、さらには、飛び火して他に移ったりして、慢性化してしまい、大きな病気に繋がることになります。

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