いわゆる筋肉質で背が低く、ガッチリ型の体格の男性。とにかくヒザが痛い。フクラハギの筋肉と太ももの裏側が張っていて硬くなっているのだと訴えられる。
病院に行くと、軟骨が少しすり減っているからやせなさいと言われ、ダイエットもいくつか試み、5kgぐらいの減量には成功した。しかし、一向にヒザは楽にならないと来店。
いつがいちばん痛いかお聞きする。長い時間動かないでいて、そこから動きだす時にいちばん痛いとのこと。いったん動きだせば、それからは楽になるかお聞きすると、動き出して汗ばんでくると楽になるとおっしゃる。
UC−Ⅱ製剤と田三七を処方。1週間してUC–Ⅱ製剤のパンフレットはないかと訪ねて来られた。いわく、友人にそれを紹介したいとのこと。腰をかけ、ヒザから下と太ももを自分でさわりながら、だいぶ楽になったと喜ばれる。ヒザの痛みは3割ぐらいに減った、今後も続けたいとおっしゃる。ただ今服用中。
〈考察〉
病院に行き、レントゲン撮影をすると、軟骨部分が硬くなったり、すり減っていたりしている患者さんは多いのだと思います。しかし、ほんとうにそのすり減りが痛みの原因であるならば、歩きだして楽になることはないと私には考えられます。
つまり、軟骨部分がすり減ったのが原因だとはいえ、そのことによる腱・スジのねじれ等が痛みをつくり、しかも血行障害を起こし、それゆえに動いて血行が動きだすことによって楽になるのではないか。UC−Ⅱ製剤により、腱・スジの弾力を戻し、また田三七によって血行を改善し、筋肉がやわらかくスムーズに動きだすのではないかと考えられる。軟骨部分のすり減りがかなりひどいと判断した場合は、これにプラスしてコンドロイチンを処方することもある。