癲癇(てんかん)の発作時によく使う甘麦大棗湯(かんぱくたいそうとう)
という漢方薬があります。
◎甘草(カンゾウ)
◎大棗(タイソウ)
◎小麦(ショウバク)
たった3つの生薬で構成されています。
甘草は、今お菓子などの甘味料にもよく使われる薬味です。
大棗は、ナツメの実を乾燥させたものです。
小麦は、麦そのものです。
では、癲癇の発作のときに甘草をバリバリ食べ、ナツメの実を食べ、
麦を食べれば効果があるでしょうか?
私はないと思います。配合のバランスが正しくて初めて薬効が期待
できるのです。
ではなぜ甘麦大棗湯は効くのでしょうか?
それが配合バランスの妙なのです。
では誰がその配合バランスを考え出したのでしょう?一般には、
これは数千年にわたる古人の知恵の集積だといわれています。
現代人には想像も及ばないような五感の感性を持ち、気を感じとり
操る能力に長けた先人がいたにちがいありません。
そう思わされるような実に絶妙な配合のバランスで構成されています。
それが漢方薬というものなのです。